セルフメンテナンスガイド

1.動作部のコンポーネント

動作部コンポーネント

※このイラストではわかりやすくするためミラー#2 のカバーとX軸モーターのカバーが省略されています。

01)フォーカス キャリッジ(レンズカートリッジ) 13)Y軸ベルト(2)
02)X軸ベアリング(3) 14)Y軸ベアリング(4)(左右の Y軸レールに 2個ずつ)
03)ミラー#3(カバー内) 15)Y軸レール(2)(左右に 1本ずつ)
04)フォーカス レンズ(カバー内) 16)Y軸レール ベアリング トラック(2)(左右に 1本ずつ)
05)X軸レール(アーム) 17)Y軸駆動ギア(2)(左右に 1個ずつ)
06)X軸ベアリング トラック(2) 18)Y軸シャフト(2)(左右に 1本ずつ)
07)X軸ベルト 19)Y軸シャフト フレックス カプラー(左右に 1個ずつ)
08)X軸ホーム位置センサー フラグ 20)Y軸モーター
09)X軸アイドラー プーリー 21)Y軸アイドラー プーリー(2)(左右に 1個ずつ)
10)ミラー#2 とホルダー 22)Y軸ホーム位置センサー フラグ
11)X軸モーターと駆動ギア 23)フレックス ケーブル
12)X-Y ホーム位置センサー ボード(上部フレックス ボード)

2.クリーニング・メンテナンス用具の準備

  • 大さじ1杯の中性洗剤と水1リッターを混ぜた洗剤溶液を入れたスプレー缶
  • ペーパータオル
  • 綿布
  • 変性アルコール(塗装面、プラスチック、上部窓には使用しないでください)
  • アセトン(彫刻テーブル以外には使用しないでください)
  • 綿棒(付属)
  • レンズ クリーナー(付属)
  • 電気掃除機
  • アレンレンチ セット(050 3/16 インチ)(付属)

注意
アセトンや変性アルコールの使用時は、それぞれのラベルに記載されている使用上の注意をよく読んで正しくご使用ください。

3.駆動系のメンテナンス

  • レーザーシステムの電源を切り、コンセントを抜きます。
  • 上部扉を開き、内部のカスやチリを電気掃除機で除去します。
  • 洗剤溶液、アルコール、アセトンのいずれか、およびペーパータオルを使用し彫刻テーブルの表面をきれいにします。これらの溶液は機材表面などには絶対に直接かけないでください。クリーニングの際、溶剤は必ずシステムの外部でペーパータオルや綿布に染み込ませ、それを使用して目的部分の汚れを拭き取ってください。
  • 綿棒やペーパータオル、およびアルコールまたは洗剤溶液を使用し、X軸レールとY軸レールをきれいにします。ベアリングトラックに堆積したカスは、ベアリング劣化および彫刻品質低下の原因となるため、注意して掃除してください。
  • レールとトラックのクリーニング後、清潔な綿棒やペーパータオルとアルコールを使用してベアリングを掃除します。その際、各ベアリングに綿棒を当て、動作部を手で動かしながら綿棒に対してベアリングを転がすようにして掃除を行います。本システムには、フォーカス キャリッジに3個、X軸レールの左側に2個、Y軸レールの右側に2個の、合計7個のベアリングが装備されています。
  • 綿布と洗剤溶液を使用して上部窓をきれいにします。上部窓はアクリル製なので、ペーパータオルは使用しないでください。ペーパータオルを使用すると、アクリルの表面にキズが付く恐れがあります。また、窓クリーナー、アルコール、アセトンなどの化学製品を使用すると、アクリルにヒビが入るため、使用しないでください。アクリル部の掃除には、アクリル対応のクリーナーのみを使用してください。
  • 洗剤溶液と、やわらかい布やペーパータオルを使用し、システムの外部をきれいにします。その際、アルコールやアセトンなどの強い化学薬品を使用すると、塗装面が剥げる可能性があります。

4.光学部品のメンテナンス

ミラー#2とミラー#3、ビームウィンドウ、フォーカスレンズの点検は、毎日行ってください。

※光学部品がきれいな場合は掃除をしないでください。
必要以上の掃除は、部品破損の原因となります。部品の汚れを防ぐため、光学部品の掃除の際はきれいに手を洗い、指などで部品に直接触れないように気を付けてください。部品の光学コーティングは、皮膚からの酸によって剥離する場合があります。
また、彫刻/切断加工の直後は光学部品が熱を持っており、冷たいレンズクリーナーに触れると熱のショックによってヒビが入る可能性があるため、加工直後には絶対に光学部品を掃除しないでください。

ミラー #2 のメンテナンス

ミラー#2(2)を掃除する際は、ミラーカバーを取り外します。その際は、ネジを外してカバーを右にずらし、真上に持ち上げます。

ミラーのメンテナンス

ミラー#2を点検し、汚れが認められる場合のみ掃除します。
ミラー#2の掃除は、レーザーシステムに付属するレンズクリーナーに綿棒を浸して行います。
ミラーの掃除には、付属クリーナー以外を使用しないでください。
ミラー表面は、綿棒をそっと1回転させて掃除します。ミラー表面が傷付く可能性があるため、綿棒で擦ったり何度も転がしたりしないでください。ミラーがきれいにならない場合は、新しい綿棒を使用して再度掃除してください。綿棒から出る細かいクズは、レーザーによって除去されるため、レンズに付着した状態でも構いません。クズを取り除こうとして、ミラー表面を傷付けないようにしてください。

ミラー#3とフォーカスレンズのメンテナンス

ミラー#3(3)とフォーカス レンズ(4)を掃除する際は、前面カバー(2)を片手で固定し、もう片方の手で3つのネジを外します。次に、前面カバーをまっすぐ引き出します。ミラー#3とフォーカス レンズは、両方とも前面カバーに装着されています。

フォーカスレンズのメンテナンス

レンズ クリーナーでミラー#3とフォーカス レンズを直接掃除できる角度まで、前面カバーを回転させます。
次に、ミラー#3とフォーカス レンズの反射面に溶液を噴きつけます。汚れがひどい場合は、溶液を1分間馴染ませてください。きれいな綿棒を使用し、ミラー表面を1方向に転がしてください。1度使用した(転がした)綿棒は新しいものに交換し、掃除の際には、表面を傷付けないようにそっと転がしてください。フォーカス レンズに対しても同様の方法で掃除を行いますが、レンズは両面ともきれいにしてください。

レンズクリーナー

ビームウィンドウのメンテナンス

ビームウィンドウは、彫刻エリアへのレーザー光線照射口で、彫刻エリア左上コーナーの背面壁に装着された黄色の部品です。ビームウィンドウは、前面部分のみを掃除しますが、その際はウィンドウを取り外さず、ミラー#2と同じ方法で掃除します。

ビームウィンドウのメンテナンス

5.排気プレナムのクリーニング

  • システムの電源を入れます。
  • Z軸を操作して Z軸テーブルを最高位置まで上昇させ、システムの電源を切ります。
  • レーザーシステム後部の2個のボタン ネジ(1)を外します。
  • 前面扉を開きます。両手を使用し、内部の排気プレナムを、プレナムのタブ(2)が皿頭ネジ(3)から外れる高さまでまっすぐ持ち上げます。次に、プレナムの低部を自分の方向に向けて回転させ、システムから取り外します。洗剤と水の混合溶液を使用し、プレナム内部とレーザーシステムの背面壁内側を掃除します。
  • プレナムの装着は、取り外しと逆の方法で行います。その際、プレナムのタブが皿頭ネジに乗るように装着してください。

排気プレナムのクリーニング

6.冷却ファンのフィルタのメンテナンス

レーザーシステムは空冷式のため、冷却ファンのフィルタを定期的に掃除する必要があります。レーザーカートリッジの冷却には外部の空気が使用されますが、空気はフィルタを通してシステム内部に供給されます。チリやホコリが詰まっている場合は、冷却ファンによるレーザーカートリッジ、CPU、電源の冷却効率が低下する可能性があります。この場合、レーザーカートリッジからのレーザー出力が彫刻加工中に低下し、最終的には完全に作動停止してしまう可能性もあります。

冷却ファンのフィルタは、レーザーシステムの後部に装着されています。フィルタの掃除は、レーザーシステムの電源を切り、コンセントを抜いてから行ってください。本システムには、大きいフィルタ2つ(1)と、小さいフィルタが2つ(2)装備されています。フィルタを取り外す場合は、黒いカバーを外してフォームを取り出します。取り出したフォームは、洗剤と水の混合溶液で洗った後、乾燥させてから装着してください。

※冷却ファンのフィルタを外した状態では、故障の原因になるため、絶対にレーザーシステムを作動させないでください。フィルタなしで作動させた際に発生した故障は、保証の対象外となります。