アクリル板へのレーザー加工の基本編

アクリル板へのレーザー加工

レーザー加工と相性の良い素材「アクリル」。
ここでは、アクリルをレーザー加工する際の基本や、加工時に気をつけたいポイントをご紹介します。

彫刻編

彫刻すると白くなるのが「キャスト材」、白くなりにくいのが「押し出し材」
透明アクリルの場合、「キャスト材」はレーザーで彫刻すると彫刻面が白くきれいに仕上がります。
一方、「押し出し材」は透明なまま彫り込まれます。
キャスト、押し出しとは?
押し出し 柔らかくなったアクリル樹脂をローラーで押し出して製造します。
安価で厚みの精度に優れており、熱曲げ加工がしやすい素材です。
一方で、やや反りやすく、薬品でクラック(ヒビ)が入りやすい特徴があります。
キャスト 2枚のガラスの間に材料を流し込み、硬化させて製造します。
硬度があり反りにくく、押し出しに比べてクラックが入りにくい素材です。
一方で、押し出し材に比べると高価です。
彫刻は「エアアシストなし」で行います
彫刻の際は、エアアシストを起動せずに加工してください。
エアアシストを起動して彫刻を行うと、彫刻面が荒れたり、文字がぶれてしまう場合があります。
※切断時は、必ずエアアシストを起動してください。
彫刻面の削りカスは、柔らかい歯ブラシ等で落とします
深さを出す彫刻を行った場合など、彫刻面に削りカスが残ることがあります。
その場合は、柔らかい歯ブラシ等でやさしく落としてください。
ワンポイントアドバイス

彫刻面に削りカスが固まって残ってしまったり、彫刻面の周りに靄(もや)のような汚れがついてしまったりする場合は、彫刻のパワーが強すぎることが多いです。
深く彫刻したい場合は、マスキングを貼ってから加工するか、強いパワーで一度に彫刻せず、弱いパワーで繰り返し彫刻することで汚れを防げる場合があります。
その際は、1度目の彫刻後にエアダスター等で軽く粉じんを落としてから、2度目の彫刻を行ってください。

削りカスが残ったアクリル
赤丸部分に削りカスが残っている状態です。
彫刻パワーが強すぎる例
彫刻のパワーが強すぎると、靄のような汚れが残る場合があります。

切断編

切断時は、エアアシストを必ず起動してください。
切断の際は、必ずエアアシストを起動して加工してください。
また、加工中は機械のそばを離れないでください。火災の原因となります。
弱すぎず、強すぎない設定で切断してください
パワーが弱すぎると切断できない部分が出る場合があります。
反対に強すぎると、レーザーが作業テーブルから反射してアクリルにキズをつけたり、炎が上がったりする場合があります。
1度できれいに切断できる設定で加工してください。
ハニカムカッティングテーブルの使用をおすすめします
ハニカムカッティングテーブルは、切断用途専用のテーブルです。
ハニカム構造により、レーザーの反射や、アクリル切断時に生じるガス・溶けの広がりを低減できます。
ワンポイントアドバイス
ハニカムテーブル

ハニカムテーブルがない場合や、ハニカムテーブルを使用してもきれいに切断できない場合は、アクリル板をテーブルから少し浮かせることで改善できる場合があります。
浮かせすぎると、切断された部分がアクリル板の下に潜り込み、他の部分の切断に影響するため、浮かせる高さは2〜3mm程度までにしてください。
ハニカムテーブルを使用する場合は、写真のようなネジをハニカムの穴に差し込むことで、ネジ頭だけが露出し、その上にアクリル板を置くことができます。

レーザー反射によるキズ
ハニカムテーブルを使用しても、切断パワーが強すぎるとレーザービームの跳ね返りにより、アクリルに等間隔のキズができる場合があります。
ネジを使ってアクリル板を浮かせる方法
ネジをハニカムの穴に差し込み、露出したネジ頭の上にアクリル板をセットします。

その他アドバイス

アクリル板の保護紙は貼ったまま加工する?
アクリル板の保護紙
アクリル板は、保護のための紙が両面に貼られた状態で販売されています。
この保護紙の上から彫刻を行うと、彫刻後の色入れ時にマスキングの役割を果たします。彫刻された部分以外に塗料がつくことを防げるためです。
また、粉じん等によるキズを防ぐ効果もあります。
ただし、保護紙の粘着成分が影響し、彫刻面や切断面のべたつき、切断面の荒れの原因になることもあります。
加工途中に不意に剥がれると、そこにレーザーが当たり炎上する可能性もあるため、加工内容により剥がすかどうか判断してください。
エタノール、アルコールはアクリルには使用不可?
アルコールによるアクリルのクラック
一般的に、アクリルにエタノールを使用するとクラック(ヒビ)が入るため、使用しないように言われています。
実際に、薄めていない純度の高いエタノールを使用すると、高い確率でクラックが起きるようです。
ただし、薬局等で販売されている薄めの消毒用アルコールであれば、よほど多量に使用しない限りクラック等は入りにくいようです。
加工時についた汚れをさっと拭く程度であれば、大きな問題は起きにくいと考えられます。
ただし、レーザー加工直後で熱を持った状態や、すでに小さなクラックが入っている場合は避けてください。
また、押し出しアクリルはキャストアクリルに比べて溶剤や薬品に弱いため、使用は避けた方がよいでしょう。

アクリルレーザーパラメーター

ラスター彫刻

レーザー出力 深さ パワー スピード PPI 回数
25W 浅め 40% 80% 500 1
深め 80% 50% 500 1
30W 浅め 35% 80% 500 1
深め 75% 50% 500 1

ベクター切断(板厚3mmの場合)

レーザー出力 パワー スピード PPI 回数
25W 100% 2% 500 1
30W 85% 2% 500 1

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